『優しい密室』 栗本 薫 | たまらなく孤独で、熱い街

『優しい密室』 栗本 薫

優しい密室 (講談社文庫)

優しい密室
栗本 薫

(講談社文庫)

初版:1983年8月15日

(1981年1月に講談社より刊行) 

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伊集院大介シリーズの長編ですが『絃の聖域』が先だったかな。

中高大一貫教育の女子高で悩み迷う森カオルは、作者の女子高時代を反映させているかのよう。

違うよバーカと言われそうな気もしますが。

 

ストーリー自体はおとなし目ですが、伊集院大介と森カオルが出会った記念すべき1作です。

その時の最初の「謎」が明らかにされるラストは実に心地よいです。

栗本薫もデビューするまでは自分を認めて背中を押してくれる人が欲しかったんじゃないかな。

書くということは孤独であるし、果たしてこのままで良いのか悪いのか分かりませんからね。

 

「愛するに時があり、憎むに時があり、生きるに時があり、死するに時がある」

決して忘れぬよう、覚えておきます。