『Story Seller』 新潮社・編 | たまらなく孤独で、熱い街

『Story Seller』 新潮社・編

Story Seller (新潮文庫)

Story Seller
新潮社ストーリーセラー編集部
(新潮文庫)

初版:2009年2月1日

(2008年4月に小説新潮別冊として刊行) 

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「首折り男の周辺」 (伊坂幸太郎)

「プロトンの中の孤独」 (近藤史恵)

「ストーリー・セラー」 (有川浩)

「玉野五十鈴の誉れ」 (米澤穂信)

「333のテッペン」 (佐藤友哉)

「光の箱」 (道尾秀介)

「ここじゃない場所」 (本多孝好)

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書店でふと目に付いて買ってしまった。

米澤穂信の短編が読みたかっただけなんだが、なかなかの短編集でした。

 

じゃあ、読んだ順に感想でも書きますか。

 

「首折り男の周辺」伊坂幸太郎

この人の本は以前何冊か読んだが、だんだん「合わないな」という印象が強くなってしまった。

この短編もその思いを濃くするだけだった。

 

「プロトンの中の孤独」近藤史恵

この人は初。

ミステリ作家なのか?

全然ミステリっぽくないのだが。

なにかの長編のエピソードの一つという感じ。

 

「ストーリー・セラー」有川浩

長編は一冊のみ読んだ(『塩の街』)。

出来は別としても印象に残る本ではあった。

この手の「泣かせよう」「感動させよう」という類のは勘弁して欲しいわな。

内容はグチャグチャでも感動する小説はあるし、端正に書かれていても気持ち悪い小説もある。

これは後者ですな。

 

「333のテッペン」佐藤友哉

この人も一冊のみ読んでる(『フリッカー式』)。

なんかどれかの長編とシンクロしているみたいだね。

その長編もこの短編も、あり得なさは清涼院流水と似ている印象。

 

「ここじゃない場所」本多孝好

初読み。

ぶっとんだ。

これはスゲーじゃねーか。

SFっぽくミステリっぽく青春モノっぽくもあり。

いやーたまげたねー。

こんなのが隠されていたんだねえ。

 

「光の箱」道尾秀介

2冊ほど読んだかな。

きれい過ぎてワシにはダメだね。

もっとグシャグシャしてくれんと。

 

「玉野五十鈴の誉れ」米澤穂信

今継続して読んでいる数少ない日本人作家。

最後は「そこへ落とすんかい!」と苦笑。

今後も期待が持てそうですな。