『僕たちの終末』 機本 伸司 | たまらなく孤独で、熱い街

『僕たちの終末』 機本 伸司

僕たちの終末 (ハルキ文庫 き 5-3)

僕たちの終末
機本 伸司

(ハルキ文庫)

初版:2008年5月18日

(2005年6月に角川春樹事務所から刊行)

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まず最初に書きたいのはだな、この表紙はなんとかならんか。

全然意味ないしカイケーないじゃん。

 

2050年。

太陽フレアの異常により地球が危ない。

いや、地球は危なくないかもしれないが、生物が危ない。

早ければ7、8年後には太陽活動が活発化し、それが数十年続くかもしれない。

 

沈静化する方法はない。

やり過ごすしかない。

多少なりと防御するには、ドームかシェルターか宇宙コロニーか。

だが、もっと遠く宇宙へ飛び出そうと考えた男がいた。

会員を募り会費を集めて宇宙船を作り近くの恒星に行こうというのだ。

そんなに会費が集まるかよ、というのは置いといて、ともあれ計画がスタート。

だが、技術的問題もさることながらそれ以外にもクリアしなければならない課題が山積。

 

約2/3が宇宙船建造前に課題をどうクリアするか、どういう宇宙船が最適か等に費やされますが、決して難しい公式などはなく読みやすいくらいです。

6光年。光速の15%で進んでも50年かかるそうです。

宇宙船の形は?燃料は?エンジンは?何人乗れる?行き先は?

 

お金の問題は別としてもそれ以外にもさまざまな難問があり、現実には技術的に可能だとしても恒星間宇宙船は作れそうもありませんね。

それを可能たらしめた作者は、最後の最後で発案者である一応の主人公に試練を与えます。

ここら辺りはベタですが好感もてます。

恒星間航行は夢でもロマンでもないけど、それでも夢は夢として持っていたい気分となります。