『遥かなる巨神』 夢枕 獏
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遥かなる巨神
(創元SF文庫) 初版:2008年3月28日 (1980年12月に双葉ノベルスより刊行) |
「木犀のひと」
「どむ伝」
「魔性」
「わらし」
「蒼い旅籠で」
「消えた男」
「山を生んだ男」
「千日手」
「てめえらそこをどきやがれ!」
「遥かなる巨神」
タイポグラフィクション(9編)
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夢枕獏の「最初期幻想SF傑作集」だそうです。
しかし「消えた男」までの読みにくかったこと。
どれも短かったからいいけど、こんなんで長いの読まされたら途中で本をぶん投げてるな^^
それに、こんなのが幻想小説というのなら、私は一生幻想小説なんぞは読みたくない。
「山を生んだ男」からやっとまともな小説を読めた気がした。
将棋と時間SFを絡めた「千日手」もまあまあ。
なるほど千日手は同じ時間の繰り返しだわ。
編中白眉はやはり「てめえらそこをどきやがれ!」でしょうか。
昔、雑誌かなにかで読んで荒削りだがすごい迫力に圧倒された印象が。
「ゴルディアスの結び目」(小松左京)をハードボイルドタッチでもっとエログロドロドロにした感じ。
文句も書いたけど、ここには夢枕獏の原点がある。
山がある、伝奇がある、将棋がある、サイコダイバーがいる、まだおとなしいけどエロもグロもある、ハードボイルドがある、そして無論のことSFもある。
これ以上、何を望むというのだ。
と、夢枕獏の長編を一冊も読んだことのない誰かが申しておりますw