『永久帰還装置』 神林 長平 | たまらなく孤独で、熱い街

『永久帰還装置』 神林 長平

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永久帰還装置
神林 長平

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2008年3月25日

(2001年11月に朝日ソノラマから刊行)

by G-Tools

 

神林長平はさぞ読みにくかろうと敬遠してましたが、読んでみるものですね。

期待以上の面白さでした。

 

「世界」を創造し自由に改変もできる能力を持つボルター。

それを阻止しボルターを消そうとする「永久追跡刑事」。

さまざまな時空でボルターを追いかけてきたが、いつもあと1歩で逃がしてしまう。

こんどは1000年後の火星が舞台だ。

この火星の成り立ちには触れてないが、空気もあり都市も公園もあり地球と遜色ない発展ぶりのよう。

 

火星の人間からすれば、ボルターと刑事はまさに「神」です。

「彼ら」から見れば火星は仮想世界。

ここでの武器は「彼ら」には効かない。

 

「世界」を創造するという設定がピンときません。

すでにある世界に侵入して自分の都合のいいように歴史等を変えた方が楽な気もします。

が、それはそれとして読みやすいし(大原まり子を読んだあとだからなおさら?)、500ページくらいで収めてくれたので助かります。

 

オールタイムベスト50に6作もランクインしてますし、一般受けはしないでしょうがSF界では人気実力とも抜きんでているのかな。

ただ、続けて他の本も読みたいかというと、チョッと間をおきたい気分です。