『密室・殺人』 小林 泰三
密室・殺人
初版:2001年6月10日 (1998年7月に角川書店から刊行) |
著者の最初の長編らしい。
私立探偵・四里川陣と助手の四ツ谷礼子。
「息子の妻殺しの嫌疑を晴らして欲しい」との依頼を受けたが、四里川が現地へ行きたがらないので、助手の四ツ谷が行く。
出だしは横溝正史風でおどろおどろしいかと思いましたが、そんなことはなかったです。
被害者は衆人環視の中を自室に戻ったが、悲鳴とともに墜落死。
だが、自室は「密室」だった。
他殺か事故か自殺か。
いずれかにせよ、どうやって被害者は部屋を抜け出たのか。
四ツ谷が四里川の指示を受けつついろいろと動き回るのですが、関係ない部分が多すぎの気も。
著者の狙いは密室の謎でも殺人でもなく、読者を騙すこと。
騙されたい人は読んでみよう。
まあ、私も騙されましたが、さほどのサプライズはなかった。
すれてしまったのですね。
解説の香川二三郎は社交辞令か続編に期待してるようだが、書けるのか?
そもそも続編も期待するような出来か?