『かめくん』 北野 勇作
かめくん
(徳間デュアル文庫) 初版:2001年1月31日 |
北野勇作は、好きな人は徹底的に好きだろうし、そうでない人には「なにこれ?」って感じかも。
相変わらずノホホ~ンとした文体で、ノスタルジックな風景です。
でも、これほど紹介しにくい本もないですね。
ぜひ読めともいいにくいし・・・。
亀に似ているから「かめくん」。
しかしてその実体は、「木星戦争」に投入された人工知能搭載のヒューマノイドのうちの一体。
それが何故か日本の下町でアパートに住み、人間と同じように生活している。
散歩をし、勤め先の倉庫でフォークリフトを上手に使い、図書館に行き、猫をしばし飼い、スルメとリンゴが好きなかめくん。
途中途中で垣間見える「木星戦争」。
日常と戦争のギャップ。
相変わらずの「世界」の不安定さ。
それらを丸ごと受け入れなければ、北野ワールドは楽しめないかも。
正直、私もどれだけ楽しめたのか分かりませんが。
どうしてもP・K・ディックを連想してしまいますが、ディックはディック北野勇作は北野勇作ですね。