『タイム・リープ あしたはきのう』 (上、下) 高畑 京一郎 | たまらなく孤独で、熱い街

『タイム・リープ あしたはきのう』 (上、下) 高畑 京一郎

タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146)) タイム・リープ―あしたはきのう (上)
高畑 京一郎
(電撃文庫)
初版:1997年1月25日
(1995年6月にメディアワークスより刊行) 
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いや、これは傑作です。
時間SFの奥は深い。
なによりも、過去へ戻って自分の都合のいいように改変しようとするストーリーでないのが好感。
 
あることが原因でタイムリープの能力が発現してしまう鹿島翔香。
ひょんな事から巻き込まれる若松和彦。
このタイムリープは同じ時間を繰り返せない。
そして、跳んだ時間にはどこかで戻らなければならない。
1日24時間1週間168時間を肉体は時間通りに進むが、意識だけは進んだり戻ったりしながらも168時間を順序は違え経験するのだ。
なるほど、と思える設定です。
 
そんな行ったり来たりの翔香を、正常な時間の流れの和彦が、話や体験を繋ぎ合わせて推理し翔香を助けようとする。
さらに時間を改変しないように注意深く行動を起こし、タイム・リープの原因をつきとめるところは感動ものですね。