『機械どもの荒野(メタルダム)』 森岡 浩之 | たまらなく孤独で、熱い街

『機械どもの荒野(メタルダム)』 森岡 浩之

機械どもの荒野(メタルダム) (ハヤカワ文庫 JA モ 1-11) 機械どもの荒野(メタルダム)
森岡 浩之
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2008年3月15日
(1997年6月にソノラマ文庫より刊行) 
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この作者のも読んだことがなかったので、目についたのを購入。
『星界の紋章』も名前くらいは知ってましたが、シリーズものはどうも敬遠気味になってしまいます。
 
この作品。
一言で表すなら失礼ながら「意外に拾いもの」。
たしかに失礼だな。
期待しないで読んでたってことだから。
読みたい(でも読めない)本が山とあるのに、面白くなさそうな本をあえて読むわけがないのですが、それでも期待以上ということですか。
 
ヒトがほとんど滅び、機械(ロボット?)が事実上支配している世界。
よくある設定だね。
主人公のタケルは荒野でロボットを捕らえて部品などを売り生計を立てている狩人。
だがある日、しゃべるロボットを捕まえた時から、タケルの運命が大きく変わる。
そしてそれは、ヒトの運命までもが左右されそうな事であった。
ジャーン。
 
ディックの「変種第二号」の機械たちは徹底的にヒトを滅ぼそうとしていたが、それに比べればここの機械はまだまだ甘い(笑)。
でもその甘さとスイスイ読める文体が妙にマッチしています。
それに慣れるとラストの「重さ」がいささかズシッときますが。