『ΑΩ[アルファ・オメガ]超空想科学怪奇譚』 小林 泰三 | たまらなく孤独で、熱い街

『ΑΩ[アルファ・オメガ]超空想科学怪奇譚』 小林 泰三

ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫) ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚
小林 泰三
(角川ホラー文庫)
初版:2004年3月10日
(2001年5月・角川書店より刊行) 
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読む前は全編スプラッターかと思いましたが、そうでもないですね。
この作者は『海を見る人』からのお付き合いですが、しっかりとハードSFを書けるのが強みです。
 
それぞれ全く別の知的生命体である「ガ」と「影」。
ガス状というかプラズマ状というか、知的生命体の描写が素晴らしい。
「ガ」の一族、それを脅かす正体不明の「影」。
「影」を抹殺しようと追いかける「ガ」。
「ガ」と「影」が地球に飛び込んできたところ、事故が起きてしまいます。
ウルトラマンが何故地球では3分しかもたないのかが謎でしたが、これを読めば「なるほど」と納得します。
他にもウルトラマンの謎はあります。
何故最後にスペシウム光線を使うのか。
何故遠くの星から一瞬で地球に来れるのか(ワープとかせずに飛行してるのだが)。
まあ、ウルトラマンは子供のときに見ただけですし(どのシリーズを見たのかは不明)、さほど関心もないのでこれ以上は突っ込みませんが。
 
地球での最初の「ガ」と「影」の戦いは、ウルトラマンと怪獣の戦いのカリカチュアみたいですが、次第にスケールアップするに従いTVのようなきれいごとでは収まらないのは当然です。
地球は地獄絵図と化します。
人類は地球は滅亡するのか。
それとも全く新しい世界が開けるのか。