『異邦人 fusion』 西澤 保彦 | たまらなく孤独で、熱い街

『異邦人 fusion』 西澤 保彦

異邦人―fusion (集英社文庫) 異邦人―fusion
西澤 保彦
(集英社文庫)
初版:2005年1月25日 
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うーむ。
西澤保彦のタイムスリップものだというので読んだのだが・・・。
初期にみられるような「SF縛り」のミステリかと思ったのだが、SF縛りどころか逆に縛られてるみたい。
タイムスリップにより2000年の大晦日から1977年8月まで過去をさかのぼることにより、1977年より新しい紙幣や硬貨がサイフの中から消えてしまったりとか、それらしいことを色々書いてるのは何のためだか。
衝撃の犯人を作るためだとしたら興ざめ。
訳の分からんサブタイトル(fusion)も、思わせぶりな書き方もイヤミだね。
タイムスリップを使って過去を振り返り過去を清算し・・・というパターンにはうんざりだ。
 
チョーモンインシリーズとか、前回読んだ方舟がどうたらこうたらとか、怪獣がどうだとか、この作品とか・・・。
初期のSFっぽい作品の印象が強すぎたのかな。
それで、今でも期待してしまうのかな。
もしかして、この作者の本質を見誤ってたのかな。
たぶん、SFが好きじゃないんだね。
SFは単なる小道具なんだね。
この作者は今後も読むに値するのだろうか・・・。