『星降り山荘の殺人』 倉知 淳 | たまらなく孤独で、熱い街

『星降り山荘の殺人』 倉知 淳

星降り山荘の殺人 (講談社文庫) 星降り山荘の殺人
倉知 淳
(講談社文庫)
初版:1999年8月15日 
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西澤保彦の解説はどうも面白くないんだよな。
以前も誰かの本の解説で無理矢理褒めてたような印象が。
その西澤保彦の解説によりますと、倉知淳は自称「パロディ作家」ですか。
ならば本作もパロディですか、それともオマージュですか。
 
本格ミステリの定番に「嵐の山荘」ものがあります。
なぜか人里離れた山奥にある山荘。
何人かがそこでしばらく滞在しようと集まります。
嗚呼、ところがなんとしたことか、折からの暴風雨や吹雪により道は閉ざされ通信手段もなくなり、外界との関わりができなくなったその夜、惨劇が起きるのです。
警察も呼べない救助もままならない中で、残された人たちは「殺人者」に怯えながらも健気に助け合い、なぜか「探偵役」が現れて犯人探しをするのですね。
なにしろクローズド・サークルですから容疑者は少ない。
その少ない容疑者の中からさらに意外な人を犯人にしなければならないので、作者も大変だわ。
 
で、この本だが。
いや~、騙された。
普通、無理矢理に騙されても「だからどーした」「それがどーした」と悪態をつくところですが、これほどきれいに騙されるといっそ爽快ですな。
まあまあ納得して騙されるには、これくらいの長さ(約480ページ)が必要なのかな。