『幽霊人命救助隊』 高野 和明 | たまらなく孤独で、熱い街

『幽霊人命救助隊』 高野 和明

幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1) 幽霊人命救助隊
高野 和明
(文春文庫)
初版:2007年4月10日
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自殺までは考えないにしても、自分の「死」というものを考えたことのない人はいないと思います、幼児は別として。
自分が死ぬと、妻は?子供は?親は?会社は?仕事は?友人は?などなど・・・。
 
ここに4人の自殺した男女がいます。
しかし彼らは天国へ行けず、神様から7週間以内に100人の自殺しそうな人を助けろ、とアイテムを持たされて娑婆へ送り返されます。
歩いたり電車に乗ることはできても、他人や他のものには一切触れられない。
 
ここ数年、日本だけで毎年3万人以上の方が自殺している。
これは交通事故死なんぞより遥かに多い。
本の中ではさまざまな自殺の要因が語られます。
ある意味、自殺防止マニュアルのよう。
 
4人は神様からもらったアイテムで自殺しそうな人を探し出し、直接は話し掛けたりできないので、さまざまな手を使って自殺を食い止める。
だが、いくら頑張ったところで7週間で100人。
その間にはもっと多くの人が自殺している。
100人だけでも救えたとみるべきか、100人しか救えなかったとみるべきか。
神様の狙いがわからない。
いっそのこと自殺した人全員を救助隊に回せばいいのに。