『いまひとたびの』 志水辰夫 | たまらなく孤独で、熱い街

『いまひとたびの』 志水辰夫

いまひとたびの (新潮文庫) いまひとたびの
志水 辰夫
(新潮文庫)
初版:1997年8月1日
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「赤いバス」
「七年のち」
「夏の終わりに」
「トンネルの向こうで」
「忘れ水の記」
「海の沈黙」
「ゆうあかり」
「嘘」
「いまひとたびの」
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悲しいことだが、志水辰夫を読む最後の本になりそうだ。
読みにくくはなかったですよ。
分かり易いくらいでした。
だけど、駄目だ・・・・・・。
 
連作であるかのように、主人公はみな50代中頃の男性。
自分にあるいは友人や身内の誰かに「死」の影がおおう。
溢れ出る思いを抑えて抑えて書いてるかのよう。
 
だけどちょっとしたことが鼻についてイライラしてしまった。
妻は20年以上前の体型が崩れていないという自慢。
主人公は皆どこかしら「上から見下ろすような視点」。
それにやたらと老後は田舎で暮らしたがる。
バカヤロー、それが都会もんの驕りだっつーんだよ。
田舎から出て行きたくても出て行けない大勢の思いがわかるか。
てめえらは単に通過するだけの旅行者じゃねーか。
別荘でのんびりと1年暮らせるものか。
 
だから、どの短編も上っ面をなでているだけの薄っぺらなものにしか見えない。
 
以上、単なる感想でした^^