『不確定世界の探偵物語』 鏡明 | たまらなく孤独で、熱い街

『不確定世界の探偵物語』 鏡明

不確定世界の探偵物語 (創元SF文庫 か 2-1) 不確定世界の探偵物語
鏡 明
(創元SF文庫)
初版:2007年7月27日 
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「昨日のない明日」
「暗闇の女」
「空白の殺人者」
「凍った炎」
「復讐の女神」
「子供の冒険」
「真夜中の死」
「わが最良の時」
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私立探偵が主人公のハードボイルドタッチなので、そのつもりで読み始めたところ、なんかカッタリーんだよなあ。
もう少し上手に書けないのかい、とも思ったものです。
しかし、読み進むうちに引き込まれていく自分がいました^^
 
ワンダーマシン。
世界にたった1台のタイムマシン。
それを所有する富豪は、世界をより良きものにするために日夜奮闘する(?)。
素晴らしいテクノロジーを手にいれた人類。
だが、日々変化し続ける世界に確固たるものはない。
ある日、突然あなたは大金持ちになるかも。
だが、家族が友人が知人が突然見知らぬ他人になるかも。
その恐怖にあなたは耐えられるか。
 
こんな世界で探偵に一体なにができようか。
序盤ではこの不確定世界のルールが語られます。
そして、それに対しての問題等が提示されます。
親切設計ですね^^
 
終盤、主人公は「ゲーム」のプレイヤーと成り果てようとしますが・・・・・・
ラストがいいですね。
SFが苦手な人もハードボイルド風味付けですので読みやすいかと思います。
SFもハードボイルドも苦手な人は・・・・・・読まんでいい^^;
 
創元SF文庫に期待したのは、こういう作品を掘り起こしてくれることだったので、今後も期待できそうです。