『忘却の船に流れは光』 田中啓文 | たまらなく孤独で、熱い街

『忘却の船に流れは光』 田中啓文

忘却の船に流れは光 (ハヤカワ文庫 JA タ 6-5) 忘却の船に流れは光
田中 啓文
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2007年5月15日
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SFのジャンルというかテーマのひとつに、超巨大宇宙船で何世代にも渡って未知の星を目指す、というのがあります。
何百年と航行を続けているうちに、当初の目的や理念は忘れられ、船は老朽化してボロボロ・・・・・・。
これも読んでいると、そんなSFの一つかなと思いましたが、さすが田中啓文は一筋縄ではいきませんね。
 
作者はこのネタを高校2年のときに思いつき、いろいろと紆余曲折はありましたが、こうして花開いて(?)良かったですね。
大好きなキーボード奏者の難波弘之さんにも「まさに文学の皮を被ったスケベの妄想、SFの面を被った凍りつくほど寒いオヤジギャグが書きたいだけなのだ、田中は!この時間泥棒!死ね!」とまで絶賛されたようです。
これで田中啓文はSFファンを卒業して、SF作家(変化球専門)になったそうで、これからのSF作家・田中啓文に期待しましょう。
 
まあ、内容は読んでもらうしかありませんが、一つだけご注意申し上げるなら「食事しながら読まないこと」(笑)。