『風少女』 樋口有介 | たまらなく孤独で、熱い街

『風少女』 樋口有介

風少女 (創元推理文庫 M ひ 3-5) 風少女
樋口 有介
(創元推理文庫)
初版:2007年3月23日
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うーん。
どこかで読んだような気がする話しだな。
 
人生を斜に構えたような若者が主人公。
以前は“不良”をしていたので、同級生の受けはよくないが知名度はある。
それゆえにか、同級の女性陣にとっては付き合いたくない奴だったろうが、結構好意はもたれていたようだ。
本人が気付かないだけで。
こーゆー奴は好きになれんな(^^
 
主人公・斎木亮は父親の葬儀のために帰省し、前橋駅を降りたところで高校3年生の川村千里に呼び止められる。
千里は斎木が昔惚れてラブレターも出したことのある“ありえないほど綺麗な”川村麗子の妹。
麗子はアパートで事故死したようだ。
だが、“事故”の様子を聞いた斎木は「麗子にしては、死に方が綺麗じゃない」と疑問を持つ。
そういう疑問の持ち方もアリなのか?
 
斎木は千里と事故なのかどうかわからない出来事を探るはめになり、前橋にいる同級生に話しを聞いて回る。
 
これが著者の第2作目だそうですが、なるほどその後の著作の原型のような気がします。
主人公の造形からして、しっかりハードボイルドしてますし。
ただ、私としては感情を露わにしない主人公が気に食わないという理由で、事故死であって欲しかった。
こういう若者が気に食わないというのは、それだけ私が年を取ったということでしょう。