『大久保町の決闘』 田中哲弥 | たまらなく孤独で、熱い街

『大久保町の決闘』 田中哲弥

大久保町の決闘 (ハヤカワ文庫 JA タ 9-3) 大久保町の決闘
田中 哲弥
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2007年3月31日 
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田中哲弥の長編デビュー作が「コレクターズ・エディション」で還ってきた!
しかも新作ストーリー「三人の名付け親」付き。
93年12月に電撃文庫から刊行されてから13年ぶりの復活ですね。
『大久保町の決闘』・・・・語感が『OK牧場の決闘』と似ています。
そんなところからタイトルと内容をひらめいたのかも。
 
関係ありませんが、愛知県から西の方では大久保町は「おおくぼちょー」というらしいですね。
長野県から東だと「おおくぼまち」です。
「おおくぼちょー」の方が「OKぼくじょう」に近いですね。
 
西明石で新快速を降り、普通電車に乗り換えて次の駅が大久保らしい。
高校3年生で大学受験を控えている笠置光則は、現実から目をそむけイヤなことは先送りにしてしまう性格のため、夏休みだからといって受験勉強がはかどるわけではない。
そんなところへ大久保に住んでいるおばあちゃんから「遊びに来い」との便り。
猛反対する母だったが、父(笠置詠)は「行ってみるか」と光則を送り出す。
 
西明石を過ぎると、異次元に迷いこんだかのような西部劇の世界が広がっていた。
板切れだけのホームに降り、なにもない平原をタクシーでかなり走ってようやく街らしきところに入る。
駅周辺の土地を買い占めて開発すればかなり儲けられそうだな(笑)。
 
笠置光則には超能力が二つある。
本人は気がついているのかどうか。
一つはどうしようもない方向音痴(笑)。
そしてもう一つがガンマンの町・大久保町で光則の命を救うこととなる危険を察知する能力。
 
『OK牧場の決闘』って覚えてないんだよね。
ファンのかた、ごめんなさい。
石を投げないで。
 
大久保町では西部劇の定番である、その街を牛耳っているボスとそのボスの威光を借りて傍若無人に振舞う4人の息子がでてきます。
誤解につぐ誤解プラス町内では知らぬ者のない「あの」笠置詠の息子ということで、町の人からも悪玉からも一目置かれた光則。
おばあちゃんの家に琴の稽古に来ている、も~すげ~可愛い紅葉ちゃん。
その紅葉ちゃんがさらわれた。
悪玉、4人の馬鹿息子、そしてやとわれガンマン多数。
光則は紅葉ちゃんを助けることができるのか。
 
今気がついたが、私は「○○ちゃん」とは決して言わないのに、会社でもブログでも。
なぜ、紅葉ちゃんなんだろう。
純菜ちゃんとは言い難いけど。
あ~そーそー、一人だけちゃん付けしてたわ。
それは・・・・・・おのろけになるから、ま、いっか(笑)。
 
なぜ、笠置詠は大久保町がガンマンの町で息子が命を落とすかもしれないのに送り出したのだろう。
笠置詠も持っている特殊能力が息子にもあると確信していたのか。
あと二冊も順次刊行らしいので、気長に待ちましょう。