『沈黙のフライバイ』 野尻抱介 | たまらなく孤独で、熱い街

『沈黙のフライバイ』 野尻抱介

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫 JA ノ 3-9) 沈黙のフライバイ
野尻 抱介
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2007年2月28日 
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「沈黙のフライバイ」
「轍(わだち)の先にあるもの」
「片道切符」
「ゆりかごから墓場まで」
「大風呂敷と蜘蛛の糸」
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恥ずかしいことにタイトルをパッと見て『沈黙のフライパン』と勘違いをしてしまった。
フライパン型の斬新な宇宙船か宇宙ステーションだろうかと。
フライバイは側方通過のことですか。
なにが側方通過するのでしょう。
表題作はファーストコンタクトものです。
 
他に収められた短編はいずれも今の科学の少し先を描いてます。
まもなく実現しそうな、あるいは実現してもおかしくないような。
特に「轍の先にあるもの」は、著者が小惑星“エロス”の写真を見て衝撃を受けたことから端を発して、ついには“エロス”に降り立ってしまう。
それでも謎は残りラストで彼はどうするか。 
科学でもなんでも、その分野を発展させるのは愚直なまでに情熱を傾ける人がいるからだろうなと納得させられました。
 
最近は区切りのいいところまで読んで一休みということが多く、読書がはかどりませんが、この作品は珍しくスイスイと読めましたね。
ことさら難解にせず読み易く理解できるように書くというのも技術技能ですね。
今回はテーマがテーマだけに内容がスムーズに頭に吸収できた気がします。
気がするだけですが。