『マルドゥック・スクランブル』 -圧縮- 冲方丁 | たまらなく孤独で、熱い街

『マルドゥック・スクランブル』 -圧縮- 冲方丁

マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮
冲方 丁
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2003年5月31日 
Amazonで詳しく見る by G-Tools
 
第24回日本SF大賞受賞作だそうです。
ブログを始めたおかげで、小川一水、飛浩隆、藤崎慎吾、新城カズマ、田中哲弥、北野勇作、野尻抱介など名前もろくに知らなかった若手SF作家の本を読むことができて感謝ですね。
そして、冲方丁。
創元SF文庫も日本のSFの刊行を始めるようですが、創元は埋もれたSFの発掘、ハヤカワは若手のSF、と棲み分けができそうかな?
 
男に焼き殺されそうになった少女・ルーン=バロット。
しかし、それ以前から「モノ」として扱われたバロットにとって、「生きること」とはなんなのか。
全身大火傷の彼女を救い、治療したドクターとウフコック(金色ネズミ)。
それには「スクランブル-09」という緊急法規措置を適用し、禁断の技術が使われていた。
身体は治癒された(もっと強力になった)バロットだが、心の傷は癒えない。
そして、金色ネズミ・ウフコックは戦時中に究極の兵器として開発されたもの。
 
少女とネズミとドクターは、それぞれの存在証明をかけて強力な敵と相対する。
ここらあたりのハードボイルドは強烈ですが、少女やネズミの内面(疑問、不安)が一掃されることはあるのだろうか。