『ねりかんブルースが聞こえる』 窪田良 | たまらなく孤独で、熱い街

『ねりかんブルースが聞こえる』 窪田良

ねりかんブルースが聞こえる―過ぎし日の残影に ねりかんブルースが聞こえる―過ぎし日の残影に
窪田 良
(文芸社)
初版:2006年11月15日 
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妻は犬や猫の動物ものや感動する本が好きで、この本もどこで見つけてきたんだか注文しといてというので、アマゾンに頼みました。
で、ついでに読んでみました。
 
昭和8年生まれの著者が、戦中戦後に体験したこと。
たしかに、開戦時に小学3年生くらいの、この著者の年代が戦争のことを伝えられる最後の世代かも。
 
戦争に翻弄され、一家離散。
終戦後、20歳までの著者の生き様が赤裸々に綴られています。
半端でなく、ある意味悲惨な体験ですが、それを淡々と書いていて一種異様な凄みがあります。
終戦直後(体験したわけではないが)と現在と比べると、特に人の意識の面で現在の方が「おかしい」と思えることは多々あります。
どこで舵取りを間違えたのでしょう。
どんどん風化する日本人としての戦争体験。
しかし、今の繁栄が未来永劫続くわけがないので、その時に日本や日本人はどうなるのか、恐怖を覚えますね。