『天涯の砦』 小川一水
天涯の砦
小川 一水 |
- 普通に息をしていけるということ。
- 感謝すらしないけど、宇宙137億年の歴史ではこれは恐らく画期的なことなんでしょうね。
- 地球上の陸の上にいる限りは。
- 同じところで長時間いても酸素が不足しないのは、空気が対流しているから?
- 空気が滞留していたら、寝るたびに死ぬ思いになりますね。
- でも、そうでないところもある。
- 深海や高い山の上。
- そして、山よりもさらに高いところ。
- そう、大気圏外。
- 宇宙ステーション(軌道複合体)・望天。
- 観光地・ホテルでもある。
- 無重力を体験できるなんて、すてきですね。
- 望天は駒のように秒速35メートルで回転しているが、その回転をサポートしているのがボール・ベアリング。
- ボール・ベアリングも万能ではないのですね。
- 望天の事故原因を思うと。
- 事故で吹き飛んだ望天。
- だが、偶然に空気がある部屋に取り残され助かった人たちもいた。
- 地球への落下。
- 消費すればするだけ減り続ける酸素。
- 救援が来るのか来ないのかも判らない。
- そして、なによりも各人がそれぞれの目的、思い、思想によって行動しているということ。
- 自分が助かるという確信もないのに、子供や他の人を助けに行く。
- 自分が二ノ瀬の立場だったら、そこまで出来るだろうか、と考えてしまう。
- テクノロジーを過信せず、そして考え抜かれた救助のありさま。
- 作者の熱意が思いが伝わります。
- そして、さらに上をめざすラスト。
- 小川さん、ならではですね。
- それと、CNW(カーボンナノホイール)液体水素のエネルギーを上回った・・・・・・ことにより、宇宙開発が劇的に進んだ、といういかにもあり得そうな発想は素晴らしいですね。
- 本当にあり得るのかは分かりませんが、この小説にリアリティを与えている気がします。