『象られた力』 飛浩隆 | たまらなく孤独で、熱い街

『象られた力』 飛浩隆

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA) 象られた力 kaleidscape
飛 浩隆
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2004年9月15日 
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「デュオ」
「呪界のほとり」
「夜と泥の」
「象(かたど)られた力」
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飛浩隆の小説は、ビジュアル感覚を刺激します。
SFであってSFでないような、異様な話を読んでいる気にもなります。
それは、視覚、聴覚は言うに及ばず、嗅覚、味覚、触覚までも描いているからでしょうか。
時として、読んでいて自分の位置がわからなくなることもあるが、ものすごいイメージの奔流として襲ってくる。
五感を描くといっても小難しい単語を並べるのでなく、既知の言葉で書いているので、いっそう感覚を刺激されます。
 
ついつい「グラン・ヴァカンス」を思い出しながら読みましたが、これからも本当に楽しみなSF作家です。
こういうのを読むと、「SFって本当にいいですね」と言いたくなりますね。
できれば、1992年からの10年みたいな空白期間は作らず、次々と作品を発表してくれますように。