『グラン・ヴァカンス-廃園の天使Ⅰ』 飛浩隆 | たまらなく孤独で、熱い街

『グラン・ヴァカンス-廃園の天使Ⅰ』 飛浩隆

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉
飛 浩隆
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2006年9月30日 
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類稀なる傑作です!!
魅惑的なほど残酷にして、眼を閉じたくなるほど美しい。
 
仮想リゾート〈夏の区界〉。
ゲストである人間の訪問が途絶えてから、すでに千年。
そこでは残されたAIたちが「永遠の夏」を過ごしていた。
だが、そこへ〈蜘蛛〉の大群があらわれ、破壊と殺戮をしていく。
AIたちはそれを防ぐことができるのか。
また、〈蜘蛛〉を操る者の目的はなんなのか?
 
飛浩隆の『象られた力』は知っていましたが、新人作家のハードSFかなと思い、触手が動きませんでした。
いちみさんのブログ で「グラン・ヴァカンス」の記事を読み、これは読まずにはおられませんでしたが、読んでよかった。
いちみさん、ありがとう♪
 
読んでいると情景が次々に浮かぶ。
物語に引き込まれるのではなく、囚われそうになる。
特に文庫の265ページから272ページにかけての描写はすごい。
だから、少しづつ少しづつ読んでました。
作者があとがきで書いているように、まさに「清新で、残酷で、美しい」物語。