『初恋よ、さよならのキスをしよう』 樋口有介 | たまらなく孤独で、熱い街

『初恋よ、さよならのキスをしよう』 樋口有介

初恋よ、さよならのキスをしよう (創元推理文庫) 初恋よ、さよならのキスをしよう
樋口 有介
(創元推理文庫)
初版:2006年9月22日 
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「私立探偵」柚木シリーズ第2作です。
草津のスキー場で、初恋の人卯月実可子と20年ぶりに再開した柚木。
しかし、その実可子は1ヵ月後に強盗に殺されてしまったようだ。
それで縁は切れてしまったはずなのに、実可子は娘に「自分になにかあったら柚木さんに相談するように」とスキー場から帰った直後に伝えていた。
なぜ?
スキー場でたまたま会っただけの柚木に。
自分の身に危険が迫っていることを察していたのか。
 
初七日に顔をだした柚木は、高校時代の実可子を中心とした「なかよし6人」グループが4人まで健在で、連絡を取り合ったりして付き合いが続いていることを知る。
柚木は実可子の姪の早川佳衣の協力を得て、現場の状況や残った同級生四人などから聞き取りをするが、いつからだろう柚木が同級生の誰かが怪しいと思い始めたのは・・・・・・。
 
久しぶりに同級生と会うと、意識が当時にすっ飛んで行ってしまうから不思議ですよね。
外見や内面がイメージといささか違っていたにしても。
同級生と会うということは柚木自身が思い出したくもない、両親の死についても思い出さざるを得ないから苦しい。
実可子とスキー場で会わなければ、なにごともなく過ぎていったのに。
 
前回の夏原裕子に代わり、今回は早川佳衣が柚木に協力したり、心配かけたりします。
どことなくボーっとした夏原裕子と違って早川佳衣はシャキシャキしている印象ですが、どうもキャラがダブって見えてしまうのは気のせいでしょうか。
そういえば前回のラストはどうなったのか、そちらの方が興味がありましたが、うまく切り抜けたのかな。