『疾走!千マイル急行』(下) 小川一水 | たまらなく孤独で、熱い街

『疾走!千マイル急行』(下) 小川一水

疾走!千マイル急行〈下〉 小川 一水
疾走!千マイル急行〈下〉
(ソノラマ文庫)
初版:2005年9月30日
 
 
 
 
完結篇です。
 
エイヴァリーが壊滅した状況となっては、TME(国際寝台列車:千マイル急行)だけで東方の強国采陽(サイヨー)に救援を求めても、采陽の有利にしか条件提示をさせてもらえない。
その条件とは列車を離れること。
つまりTMEの接収。
采陽も“ドラグストン・コレクション”を狙っているのか。
そんな時、北方の果てにあるカレル市の外交団が面会を求めてきた。
カレル市は土地開拓の入植者を募集している。
TMEの乗客、乗務員を難民とみて、その誘いに来たようだ。
 
しかし、その誘いにこそ乗らなかったが、テオたちはTMEと共にカレルに行き、そこへ新しいエイヴァリーを建設することを計画する!
エイヴァリーが大陸の南西の果てなら、カレルは北東の果てだというのに。
TMEの乗客、乗務員は強い信念のもと、行動を起こす。
まんまと采陽を脱出したTMEは、キッツが育ち今は寂れてしまったランズエンドを通るが、TME内のスパイがその情報をレーヌスに流したため、またもレーヌス最強の装甲列車“グロードン急行”と遭遇。
TMEは、レオは、この危機にどう対処するのか?
列強が狙う“ドラグストン・コレクション”とは?
そして、新天地カレルに無事たどり着くことはできるのか?
さあ、次を待た・・・・・・なくても完結篇です(笑)。
 
なんちゅーか、久しぶりに、言い方は失礼ですが、ひたすら前へ前へ進む話しを読んだような気がします。
もちろん、書こうと思えばもっと長くもっと複雑にも書けるでしょうが。
これを少年少女だけに読ませるのはもったいない。
もっと、大人にも読んでもらいたいですね。
いや、大人子供問わず多くの人に読んで欲しい。
そう感じさせる1篇でした。
 
小川一水はこれからも読み続けたい作家の一人となりました。
これからも十分期待に応えてくれるでしょう。
その前に既刊されている本を手に入れなくちゃあねえ。