『首断ち六地蔵』 霞流一 | たまらなく孤独で、熱い街

『首断ち六地蔵』 霞流一

首断ち六地蔵 霞 流一
首断ち六地蔵
(光文社・カッパノベルス)
初版:2002年7月25日
 
 
 
ミステリファンなら一度は読んでおきたい?バカミスキング・霞流一。
で、「バカミス」ってなんだ?
ある本をひもとくと「そもそもバカミスとは、ミステリを誹謗・中傷したりする呼称ではありません。バカミスとは、一言でいえば、読者がビックリするミステリであります。ムズカシク言えば、通念からの逸脱を試みた作品、崇高なる破壊精神にあふれた作品、タブーなきミステリ・・・・・・」
うーむ。

 

この本の帯を見ると「目眩く謎解き、魂のど本格!」

背表紙を見ると「とことん本格!!目眩く謎解き合戦と、驚愕の結末!!」

さらに、あとがきを見ると「本格ミステリに殉じる、そんな大それた想いでこの作品を書きました」


うーむ。

 

六話がそれぞれ六道になぞらえ、「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上」を見立てています。

そして、第七話ですべてが結びつきます。


ひとつだけ、驚異のトリックをばらしますと。


【謎の密室】

ある廃病院の5階の病室が焼け焦げた。出入り口は鍵がかかり誰も入れない。

窓枠は残っていて8メートルくらいのロープが結ばれていた。しかし4階の病室は鉄格子があり入れない。3階までは長さが2メートル足りない。しかも3階のその病室には人がいた。

被害者は下の地面にかなり強く叩きつけられたような状態で死んでいた。

もちろん、犯人はどこにもいない。犯人は犯行後どうやって逃げたのか。

 

【解決編】(色を反転しようとしましたが、色コードがわからないし、どうでもよかったか)

犯人は被害者の首にロープを結び、さらに被害者の足首につかまって、空中ブランコの要領で大きくゆらし、5階の別の病室の窓に達したところで手を離し中へ入る。

犯人が手を離したことにより、ロープの結び目がゆるくなり、被害者は地面に落下。

残ったのはロープのみ。


これが気にいった方は、ぜひ本書をサクサクとお読みください。

驚愕の開いた口が塞がらないトリックがてんこ盛りです。