映画 「永遠の0」 | S blog  -えすぶろ-

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-人は年をとるから走るのをやめるのではない、走るのをやめるから年をとるのだ- 『BORN TO RUN』より
走りながら考える ランニング・読書のブログ

映画「永遠の0」を観てきました。
2年近く前に原作を読んだ時にも号泣でしたが、
映画の方も感動の大作、
今年の泣き納め。。。になりました。

岡田准一の宮部久蔵役、原作のイメージ通りで良かったです。
他にも
景浦役の田中泯、
(残念ながら映画では景浦の原作の重要なシーンがありませんでしたが・・・)
ヒミズ」の熱演がとても印象的だった染谷将太もとても良かったです。

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その落着いた物腰・冷静さ・責任感など、
うっかり忘れてしまいそうになりますが、
宮部久蔵はこの話の中では22~26歳という設定です。
改めてただただ頭が下がるばかりです。

ちょうど同じ歳の実在の方で植村大尉がいらっしゃいます。
映画の宮部と同じ大正8年生まれ、
昭和19年に25歳という若さで特攻で散華された方です。
下掲の手紙は遺書として植村大尉が生まれたばかりの娘さんに宛てたもので、
靖国神社の遊就館に展示してあります。
幸せな年末に、今の平和のありがたさを改めて感謝したいと思います。


 素子、素子は私の顔をよく見て笑ひましたよ。
私の腕の中で眠りもしたし、またお風呂に入つたこともありました。
素子が大きくなつて私のことが知りたい時は、
お前のお母さん、住代伯母様に私の事をよくお聴きなさい。
私の写真帳も、お前の為に家に残してあります。
 素子といふ名前は私がつけたのです。
素直な心のやさしい、思ひやりの深い人になるやうにと思つて、
お父様が考へたのです。
私はお前が大きくなつて、立派な花嫁さんになつて、
仕合せになつたのをみとどけたいのですが、
若しお前が私を見知らぬまゝ死んでしまつても決して悲しんではなりません。 
 お前が大きくなつて、父に会いたい時は九段へいらつしやい。
そして心に深く念ずれぱ、 必ずお父様のお顔がお前の心の中に浮びますよ。
父はお前は幸福ものと思びます。
生まれながらにして父に生きうつしだし、
他の人々も素子ちやんを見ると真久さんに会つてゐる様な気がするとよく申されてゐた。
またお前の伯父様、伯母様は、お前を唯一つの希望にしてお前を可愛がつて下さるし、
お母さんも亦、 御自分の全生涯をかけて只々素子の幸福をのみ念じて生き抜いて下さるのです。
必ず私に万一のことがあつても親なし児などと思つてはなりません。
父は常に素子の身辺を護つて居ります。
 優しくて人に可愛がられる人になつて下さい。
お前が大きくなつて私の事を考へ始めた時に、この便りを讃んで貰びなさい。 
昭和十九年○月吉日父 植村素子ヘ 


皆様、今年も一年ありがとうございました。