旋風(せんぷう)
人は、その生を全うした後、魂はその肉体を抜け出して、“千の風”になって、精神世界に移り住むのでしょうか。
人間の死と魂についての詩「千の風になって」が、テノール歌手・秋川雅史さんの歌声にのって日本中で流れていた記憶も、随分、遠い過去になりました。この歌は、もともとは、アメリカ合衆国が発祥とされる詩『Do not stand at my grave and weep』を、 2001年に、新井満氏(作家・作曲家・歌手あるいは芥川賞作家などとしても有名)が日本語に訳し、自ら曲を付け歌ったのが最初です。この歌詞の歌いだしは、
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になってあの大きな空を 吹きわたっています・・・・
今日は、「千の風になって」について書きたかったのですが、“千風”という言葉を、せんぷう・・で検索したら、旋風(せんぷう)という言葉がでてきましたので、ちょっと、これにひっかけて変則的なコラムになります。旋(せん)とは、ぐるぐる回る、行きつ戻りつするetc.の意味です。また、風(ふう)は、かぜ、なびかせる、様子etc.の意味を持ちます。即ち、旋風(せんぷう)とは、行きつ戻りつする風、行きつ戻りつする様子。
図らずも、この世での生をまっとうした多くの先人の方々が、折りに触れて、精神世界と現世の間を、行きつ戻りつしているような意味にも受け取れます。
人の寿命は、どんなに頑張っても100才前後、平均寿命は、80年から90年の間。長いようで、短い人の一生。両親や義父母たちには、精神世界で幸せに暮らしていて欲しいと願うとともに、数年先には、私も千の風になって・・精神世界に飛んでいくことになります。
命の炎が消えた先の世界が、どんな世界なのかは、誰にも分かりません。
今は、今を如何に生き抜くかに集中しよう、と思う。