通用(つうよう) | 二文字熟語

二文字熟語

漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

剣道 面 茶道

 今日は、通用(つうよう)という言葉です。


 日本の文化・伝統については、海外から称賛される場面が多くあります。例えば、“道”という概念。剣道、柔道、茶道、華道、いろいろな伝統文化を哲学にまで昇華させてきた日本。また、日本独特と言われる宗教観。何故、日本では宗教戦争が起きないのか。昨年、京都から発信された禅宗の現役僧侶・松山大耕氏のスピーチが世界から称賛されました。日本国民の寛容な宗教観は、八百万の神がすべてのものに宿る・・といったある意味、日本人が常識的に感じている宗教文化が、伝統の中に息づいているのでしょう。かつては、日本の常識、世界の非常識などと言う言葉が流行った事がありますが、今や、日本独特の考え方や感性が、世界に通用(つうよう)し、称賛の対象になっていることに自信をもっても良い時代が来ているのではないでしょうか。

【日本で宗教戦争が起こらない理由? 僧侶・松山大耕さんのスピーチ 。】

https://www.youtube.com/watch?v=G06xfjqLaao


 さて、通用(つうよう)という言葉ですが、通(つう)には、道ができる、物事が滞りなく進む、知らせるetc.の意味があります。また、用(よう)には、働かせる、役立てる、処理する必要のあることetc.の意味があります。即ち、通用(つうよう)とは、個人個人の話に置き換えてみれば、世の中の役に立つ人間として成長することで、その人の将来に向けた道が開ける。まさに、世の中にでて、立派な人間として通用(つうよう)する存在になる・・この言葉には、そんな意味合いがあるのでしょう。


おじさん 玉乗り

 さて、私は、今迄の人生の中で、世の中に役立ってきたのか。人の為になる仕事を成し遂げてきたのか。年齢を重ねる都度、その年代の中で自分に課せられた責任が果たせていたのか。戦国時代の武将・織田信長は、戦に臨む時、「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか」と、一節謡い舞ってから出陣したといいます。確かに、光陰矢の如し。時間の経過はあっという間ですが、それにしても、その中で人は成長していきます。私は、世の中の役に立つ人間に少しでも成長したのか、世の中に通用(つうよう)する社会人たりえたのか。過去を振り返っても意味のない事ではありますが、これからの人生を考える時、過去の反省も必要かな、と考える最近です。