礼節(れいせつ) | 二文字熟語

二文字熟語

漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

東京事変リヴァイキック アニメver.
 今日の言葉は、礼節(れいせつ)です。

 先の東北・北関東大水害の際に、注目を浴びた住宅が、旭化成ホームズのへーベルハウスであることは、テレビや新聞の報道でご覧になった方も多いかと思います。既に故人となった旭化成の会長であった山口信夫氏が、まだ40代の頃、旭化成の住宅事業部長に抜擢され、当時苦境に陥っていた住宅部門の再建に携わったと聞いています。同社では、当初ソ連から軽量気泡コンクリートの技術を導入し住宅部門に参入していったが、なかなか上手くいかず、その後、ドイツのへーベル社の軽量気泡コンクリート技術を導入して出来上がったのがまさに「へーベルハウス」であったそうです。へーベルハウスは山口氏の努力もあり、国内シェアの30%を占めるまで成功したとのこと。当時の山口氏の上司であった、宮崎輝氏が戦後の日本に足らないものは住宅である。「衣食住足りて、礼節(れいせつ)を知るといわれているが、欧米諸国に比べると日本の住は余りにもお粗末すぎる。これでは、日本はいつまでたっても、礼節を知る国民になれないのではないか。」(資料:「一隅を照らす経営を貫いた山口信夫」、経済産業調査会刊)こう語っていた宮崎輝氏。今まさに、日本で一番丈夫で済みやすい住宅が完成して、今に至っています。

 さて、礼節(れいせつ)ですが、礼(れい)とは、人の行うべき道、敬意をもって決まりに従う、敬ってお辞儀をするetc.の意味です。また、節(せつ)とは、ものの結びついているところ、気候の変わり目、しるしetc.の意味です。即ち、礼節(れいせつ)とは、言葉を分ければ、“礼儀”と“節度”ということになります。礼節とは、度を越すことなく相手に敬意を尽くすことになりますね。

買い物日本
 衣食足りて“礼節”を知る・・という言葉があります。本当は、衣食住足りて礼節を知るですね。今の日本は、なんだかんだ言っても豊かな生活を享受しています。豊かさの基準は人によって様々であるが、今の自分を幸せと思うかどうか心の問題。それも基準でしょう。もともとの日本には、江戸時代から寺子屋のような町の教育機関で、小さな子供の時代から、人としての在り方、礼儀、躾けなど徹底的に行われてきた伝統がありますので、今、教育現場の乱れなど問題も多い訳ですが、政治がマトモに機能すれば、こういった問題は、多くの時間をかけずに軌道修正できるものと思います。日本復活の一つのカギは、国民の一人一人が、教育改革をつうじて、礼節を知るような社会になることかな、と思います。