独断(どくだん) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

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 今日は、独断(どくだん)という言葉です。

 独断(どくだん)とか独断先行というと、人が物事を判断するときに、自分だけの判断で動くといった、何となく良い印象を覚えない言葉です。物事を進めるときに、時には必要、時には問題がある場合もあります。人が置かれている立場によっては、独断が必要な場面もあるのは間違いないことです。その判断が、自分だけでなく、周囲の人にも影響を及ぼす場合にはなおさらでしょう。皆さんの日常生活の中で、自分の独断、他人の独断、いろいろ感ずることがあると思いますが、自分の感情だけでその良し悪しを判断すると往々にしておかしな気持ちをになることがありますので、要注意。

 さて、独断(どくだん)ですが、独(どく)とは、相手がない、独り者、老いて子のない者etc.の意味となります。断(だん)とは、切り離す、決定するetc.の意味があります。即ち、独断(どくだん)とは、周囲の意見にとらわれず自らの意思で判断すること。特に、正しい根拠にたつのではなく、自分の考えだけで決めることを意味することから、どちらかと言えば良い意味には使われないような感じもします。

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 独断からイメージされる言葉に、独裁があります。この言葉は、自分ひとりの考えで物事を決めること。政治においては、人民の合意によらず、支配のもとに行う政治のこと。独断とか、独裁という言葉からは、その判断を行う人の、ある種の孤独感も感じます。いずれにしても、全員ではなくとも多くの合意のもとに物事を決めることが常にできる訳でなく、即断即決を求められる場面では、良かれ悪しかれ独断によらなければならない事もある・・という事を、一応、理解しておくことも必要でしょうか。