狭量(きょうりょう) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

ビックリやじるし3
 今日は、狭量(きょうりょう)という言葉です。

 最近、たびたび話題になる厚生年金の支給年齢の引き上げ問題です。少子高齢化、そして日本の人口が減少段階に入った今の状況下で、年金開始年齢の引き上げは、社会保障制度を維持していくための大きな課題であろうと思います。但し、若者も高齢者も、霞を食べて生きている仙人ではありませんので、年金支給年齢の引き上げを補うための雇用の確保が必要になります。それが、高齢者雇用安定法の改正論議です。現在でも、65歳までの雇用確保が法律上の義務となっていますが、労使協定で、一定の条件をクリアできない人は65歳まで雇用しなくともよいような逃げ道があります。これでは、日本人は飢えてしまう。そこで、この逃げ道をふさごうというのが、今回議論されている法改正です。とかく人は、自分は関係ない。とりわけ企業経営者、あるいは企業の役員は相応のレベルの所得を得ている方々の多くは、65歳という年齢を意識せずに生活をしていけるが、それでは社会は成り立たない。それなりの立場の方々は、心を狭く持たず、即ち狭量(きょうりょう)な感覚ではなく、度量を広くもって、社会の変化を受け止めた対応をしていただきたいと考えるものです。

 さて、狭量(きょうりょう)です。読んで字の如し。器が狭いこと。人を受け入れる心が狭いことで、”狭量な人物”等と使われます。逆の意味の言葉が、度量(どりょう)です。他人の言行を受け入れる心の広さのことで、”度量がおおきい”等と使われます。

来栖翔ちゃん
 人はとかく目先の利益に惑わされがちですが、心静かに、はるか先に視線を置いて、物事を考えることも必要になります。とりわけ、世の中の流れ、経済社会の変化、時代の動きetc.いろいろな言い方をしましたが、要するに”潮流”です。潮の流れの向きを敏感に察知して、どちらに舵取りをしたらよいのか、感覚を鋭く持って答えをだしていくことが重要であるということです。