私がステッキをつくるワケ。 | Knock on the DOOR ~おしゃれステッキを生み出すステッキアーティスト楓友子(ふゆこ)のブログ♪~

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オリジナルステッキブランド・Knock on the DOOR(ノックオンザドア)
ファッションとして楽しめるおしゃれステッキを生み出す、
ステッキアーティスト 楓友子(ふゆこ)のブログ


sei大学4年生の夏、交通事故に遭う

2008年の9月、私は交通事故に遭いました。

車同士の正面衝突で、助手席に座っていた私。
たくさんの幸運のなかで生きながらえはしたものの、
大腸破裂、顔面挫傷や左手の骨折、そして腰椎の骨折と
脊髄神経の不全損傷という大怪我を負い、
100日間ほどの入院生活を送りました。

こうして、杖とともに歩く、第二の人生がスタートしました。


sei初めて介護用品売り場の現状を知る

卒業後は都内のIT企業に勤め、
ロフストランドステッキでフラフラ歩きながらも楽しく出勤する日々。
しかし社会人デビューして半年ほど経ったある日、
なぜか帰ろうとするとロフストの杖が折れていて
あわてて上司に連れ添ってもらいながらT字杖を買いに
会社から一番近かった百貨店へ行きました。

それまで使っていたロフストは病院で買っていたので、
私はこのときはじめて「介護用品売り場」へ行きました。

そこで見たのは
木目の杖、"おばあちゃん"の花柄の杖、
微妙なチェック柄の杖、みょーにハデハデの杖etc...

その可愛くなさに愕然としました。

それでもこの頃の私は、「仕方ない」と言って
この可愛くない杖を使っていました。
キーホルダーをつけたりして少しでもマシにしようとしながら…。


sei"歩けなくなる"という恐怖を感じる

T字杖とのお付き合いが始まって1年弱たった、2010年夏のある日。
私はなぜか突然強い痛みに襲われ、歩けなくなりました。

歩けない状態はほんの数日間ではありましたが、
そのとき私は初めて"歩けなくなる"ということへの恐怖を感じました。

それまでは障害が残ると言われても杖をつくと言われても、
歩けなくなるなんて考えたことがなかったのです。
がんばってリハビリをして歩けるようになったんだから、
このままずっと歩けるような気がしていました。

障害っていうのはこれを含めて「障害」なんだと、
このとき初めてわかりました。
 
”歩きたい”
”まだ歩いていたい”

あの日突然交通事故に遭ったように、
運命は誰にも予測がつかない。
それはいのちの時間も、歩ける時間も同じこと。

私はあと何年歩けるのだろうか。
30年かもしれないし10年かもしれないし
3年かもしれないし1年かもしれない。
 
…そう思ったときに、
「その”歩ける”時間を少しでも長く楽しんでいたい」と思いました。
 
だから私は決心しました。
 
"少しでも長く歩いていられるように。
歩いていられる時間を最大限楽しめるように。
そんな物や仕組みを、私が作ろう”
…と。


sei杖を可愛くする!ということをはじめる

そして私は"杖を可愛くする"ということをはじめました。

杖を可愛くすると、着たい服が増えました。
「かわいそうに」と言われることより
「可愛いね」と言われることが増えました。

そしたらおでかけするのが楽しくなって、人に会うことが楽しくなって、
その結果たくさんのご縁に恵まれ、
私は今、とっても幸せな毎日を送っています

たくさんのハッピーを運んできてくれたステッキに
今では心から感謝をしています。

そして2011年、
私はステッキアーティストとしての活動を始め
【Knock on the DOOR】という
オリジナルのステッキブランドが誕生しました。

Knock on the DOORが生み出すステッキたちが、
1人でも多くの笑顔を生んでくれますように。
歩く楽しみと生きる希望を伝えてくれますように。

そう、願っております。