gumiショックを考える!後出しじゃんけん!IPO市場を知らない人ばかり! | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

gumiショックを考える!後出しじゃんけん!IPO市場を知らない人ばかり!

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gumiショックを考える!後出しじゃんけん!IPO市場を知らない人ばかり!

                            金田一 洋次郎
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gumi(3903 東証1部)の話題でもちきりである。

「最悪のIPO(新規株式公開)だ」──。「gumi、何を読み間違えたらこうなるのか」
など大手のオンラインメディアではgumiショックの記事のオンパレード。嫌でも目に
入ってくる。

「この度の上場後間もない下方修正を行ったことにつきまして、心よりお詫びを申し
上げます」――。3月10日の投資家説明会では社長のお詫びから始まったという。

なんのことはない。IPOして間もない企業が下方修正しただけのことである。なのに
何故、こんなに大騒ぎするのか。

gumi(3903 東証1部)が公開したのは2014年12月18日、gumiは4月決算だが、3月
5日に業績を大幅に下方修正した。その後、株価は急落。上場初値は公募価格と
同様の3300円だったが、昨日は1430円で引け、上場来安値を更新している。

gumiは、スマートフォンゲーム大手企業。いきなり東証1部に上場し、話題も多い。
また、上場時の公開株数も1300万株以上とこの手のクラスでは大型上場であり、
期待の星だったからだろうか、公募や売り出しで取得した市場参加者も多いから、
ここまでたたかれるのかもしれない。

確かに、公開時の黒字予想からの一転赤字予想は、インパクトも大きいかもしれ
ない。大手メディアが、経営陣の計画の甘さを指摘するのはよく分かる。

しかし、予想通りぴったり着地する会社なんてない。仮に意図的に知っていて無理
な予想数字を出していたとしても、そこを見極めるのは投資家自身である。

今回のケースで、実質的に憤懣しているのは、業績修正前に保有している
ホルダーであろう。公募であれ市場買い付けであれ、株価の急落は見ていて
面白いわけがない。なんか一言、言いたくなるわけだ。文句をね。その気持ちを
察してか、話題の会社だけにメディアも次々、gumiの記事を書く。

挙句の果ては、やれ主幹事証券も悪い、儲かったのはVCだけだとか。しかし、こうした
話題を見るにつけ、いかに不毛の議論を展開しているのかといつも思ってしまう。

批判や疑問もけっこうだが、すべて結果が出てしまってからのことである。少なくと
も投資家の立場から考えて、話題のある会社だからといってgumiを買わなければ
よかっただけの話ではないのか。

いや、投資家としては、そこが一番重要であろう。IPO市場は、必ず儲かる場所では
ない。IPO企業も上場してしまえば、他の上場企業と何ら変わらない。市場のルール
に則って、評価されるだけでる。

えらそうなことを言って、お前は分かっていたのかって。

何を隠そう、当社は、KCR-IPOレポートなるものを公開前に発行している。格付け
つきで、IPO企業の割安度、安全度、収益度から5段階評価で格付けしている。

gumi(3903 東証1部)公開前の12月6日に発行されたレポートによれば、格付け
はどれも★★で割安度に至っては指数分析で1.5ポイント(満点は5点)と極めて
低い。
http://www.ipo-channel.jp/report/c.cgi?code=3903

つまりIPO時には参加してはいけない銘柄ということをはっきり示している。
話題で人気の会社だからといって、全てが上がるわけではない。むしろその分、既に織り
こまれている場合も多いので、下がるリスクの方が大きいのだ。

当社は、後出しじゃんけんではないことだけ、はっきりと申し上げたい。

当社のIPOレポートは、1部1000円で販売している。達人視点の会員であれば月額
3000円で、読み放題だ。IPOレポートは当社のこれまでの調査と分析の結晶である。
gumiに係らず同様の事例の実績も多い。興味のある人は是非、見てみてほしい。
http://www.ipo-channel.jp/list.html

さて、話題のgumiだが、別に倒産して紙くずになるわけでもない。IPO時の多額の
資金調達にも成功しており、会社の体力は公開前よりはるかについている。

私なら、現状、批判に甘んじるより、むしろ下値の目処を予測して先行きの将来を
予想するが皆さんはどうだろうか。             

金田一