阪神TOB終了 必見明日のよみうりTV | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

阪神TOB終了 必見明日のよみうりTV

本日は、阪急が阪神に仕掛けているTOBの最終日。本日の報道によれば、阪神株を47%買い集めた村上ファンドは、全株TOBに応じたとのことなので、これで戦後はじめての大型私鉄再編が実現する見通しとなった。


阪神株を買い集めた当初、村上さんは、まさかこのような結末になるとは思いもよらなかったと思うが、詭弁を弄する投資手法は、おそかれはやかれ瓦解することは歴史が証明している。村上さんに対しては、これっぽちも褒めるところなどないが、今回の電鉄再編のきっかけづくりは、村上さんであったという事実は、間違いない。


しかし、仮に村上さんがいなかったら歴史はどう変っていたであろう。気になるのは、今回、もう1社のホワイトナイトとして声がかかっていた京阪電鉄だ。大阪の地理事情が分からない読者には、ピンとこないかもしれないが、電鉄経営に限って言えば、阪神と阪急が統合するより、阪神と京阪が統合した方が、沿線住民にとってもはるかにメリットは大きい。



名前の通り、京阪電車は、京都と大阪を結ぶ電車であり、阪神電車は、大阪と神戸間を中心に運行している。阪急は、京都まで乗り入れはしているが、基本は、大阪~神戸を中心とする私鉄であるので、阪神とは利用客層は異なるとはいえ相乗効果はあまり見込めない。だから仮に統合により、京阪が選ばれたとしたら、神戸~京都間が一直線に結ばれる事になるのだ。



実は、京都~神戸は、関西の私鉄としては、唯一阪急だけがこれを運行している。つまり、仮に阪神が京阪と手を繋がれた場合、阪急電鉄にとっては、とてつもないライバルがJR西日本以外に出現することになる。阪急+阪神は、1+1=2であるが、阪神+京阪は、1+1=3以上にもなる効果があるといえるのだ。阪急にとって、今回のTOBは価格が多少高くとも絶対成し遂げなければいけないものであったといえる。


ところで、明日のよみうりTVニューススクランブルで、今回の村上ファンド、阪神TOB騒動で、誰が一番得をしたのかという趣旨で取材があった。セオリーでは、一見損したように見える阪急ではあるが、得をしたことになっているというのは、今お話したとおりだ。


今回の村上騒動がなければ、阪神から阪急に統合を要請するなどということは、天地がひっくり返っても起こらなかったことなのだ。阪神の持つ、不動産の含み益、人気球団阪神タイガースの存在、梅田の東西一体の利権獲得、JR西日本に対抗できる売上規模、そして悪夢の京阪、阪神連合の誕生阻止を考えれば、今回の買い物は、中長期的にみて実にお買い得案件であったことは間違いないのだ。


その他にも得したところが、あるでしょって。確かに。まさに濡れての粟の第三者が一番得をしていますね。

その辺のところは、明日のよみうりTV10ch(ニューススクランブル18時16分~原則近畿圏放送だそうです、関東地区の人はごめんなさい)でとくとご覧あれ。