よみうりテレビ取材 | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

よみうりテレビ取材

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本日、よみうりTVの取材陣がやってきた。例によって村上ファンドVS阪神の行方についてである。マスコミでは、本日がヤマ場であるという。今日が株主提案の行使期限なのだ。


株主提案は、総会の8週間前までに書面で会社側に届けなければならない。6月末総会の会社であれば今日がその当日ということになる。今のところ開封の兆しは無いが、内容が経営権の掌握である事は間違いない。取締役の入れ替えといったところだろう。


今日、本日中に、阪急と村上ファンド側が買取り交渉で妥結する事はないと思われるので、次のヤマ場は、両社の決算発表予定日である5月17日ということになる。村上ファンドから買取る為にはTOBを阪急が仕掛ける必要がある。


TOBは、最低でも20日以上の買付期間が必要である。総会までにこの問題を決着させたいのならば、この辺が、交渉の大きなヤマ場ということになろう。最も阪急側と村上ファンド側の互いが提示する価格差は大きい。阪急は値を吊り上げれば、高い買い物になりすぎるだけに、用心して取り組みたいところだ。


阪急サイドはのどから手が出るほど阪神が欲しいと思うが、自社の財務内容を悪化させてまで統合を望んではいないだろう。阪神全てを飲み込みたいというより、大阪梅田の商圏を一手に出来る不動産や業績がよいレジャー部門など、切り売りでもかまわないわけだ。


これは、村上ファンド側も同じ事が言える。交渉がまとまらず、いよいよとなれば、会社に乗り込み、部門や資産の切り売りを始めるしかない。一説によれば阪神が有する不動産の含み益は2000億円とも3000億円とも言われている。乗り込んで切り売りしても絶対損はないという計算だ。


少し趣は違うが、産業再生機構入りしたカネボウをかって花王は取り逃したが、結局は自らの手に入れた。阪急もあわてる必要はないかもしれない。阪神は、全くカードが無いだけに今後、一体どうなるのか。


なんとも言えないが、村上サイドにしてみれば、損は無いにしろ、乗り込んで切り売りするのは時間もかかるし、世間の評価もかなり厳しいものが予想される。土壇場で、結局、価格についての折り合いがつくのが大方の見通しだと思うが、個人的には、とことんやって欲しい気持ちがある。


安易な妥協は、ファンド側をさらに増長させることに繋がる。この手の問題で本土決戦までいくのは、歴史的にも例がほどんどないと思う。本土決戦ともなれば、あらゆることが世間の衆目の元にさらされることにもなり、そこに阪神経営陣が復活できる鍵もあるかもしれない。阪神という多くのファンがいる企業だけに、徹底的に論戦を挑んでもらいたいと思うのだが・・・。