今日、紹介するのはジョージ・フィンレイ(ジョルジオ・ステガーニ・カゾラーティ)監督の「続・さすらいの一匹狼」(1965年、Adios Gringo)。以前紹介した、クレイグ・ヒル主演の「さすらいの一匹狼」(1966年)と無関係。続編のほうが制作が先だから、ややこしいな。

 

 

主演はジュリアーノ・ジェンマ。ファンは必見の作品だと思う。牛泥棒から牛を買ったせいで牛泥棒の疑いをかけられ、人まで殺してしまう。町を逃亡して牛を盗んだ張本人を捕えて無実の証を立てようとするが、

 

 

その道中、娘が乱暴されて全裸で縛られて日焼けも痛々しい状態のところを救う。

 

 

牧師の娘を演じたこの女性が、メイクを落として果敢に演技するイヴリン・スチュワート(アイダ・ガリ)だとは最初、気づかなかった。 

 

 

こっちを見れば分かるんだけどな。

 

 

演出のメリハリやスピード感がなくて(マカロニウエスタンにそれを期待しちゃいかんのだが)、最初のうちはつまんなかったけど、ストーリー自体は悪くない。息子(マックス・ディーン)が悪事に加担しているとは知らない地主の父親(ピーター・クロス)も重要な役どころだし、

 

 

主人公と牧師の娘に力を貸す医者(ロベルト・カマルディエル)と保安官(ジーザス・プエンテ)の正義感や人情味溢れるシーンもたっぷり盛り込まれて、「牛を売りつけたあの男、許さん」と一直線に突っ走る普通のマカロニウエスタンとは一線を画している。まさに、アメリカ西部劇を模倣していて、その分、マカロニ独特の“どぎつい”、“濃い”雰囲気には欠けるんである。

 

 

そのあたりの好き嫌いはともかく、ジェンマはガンプレイだけでなく、こんなアクションをたっぷり見せてくれる。そこはファンの期待を裏切りません。

 

 

「いいな」と思わせる部分はマカロニウエスタンらしくないところで、「物足りない、欠けてるな」と思うのはマカロニウエスタンらしさなんだろう。でも、ちょっぴり新鮮で楽しめた。