座頭市血煙り街道

今日ご紹介するのは、「座頭市血煙り街道」(1967年)である。以前、シリーズ第一作の「座頭市物語」(1962年)を紹介してから、三隅研次監督作品だけでもピックアップして紹介したいなと思っていた。脚本は笠原良三、撮影は牧浦地志、音楽は伊福部昭である。

旅の途中、市(勝新太郎)は母子と相部屋になる。病で寝ていた母親が、子供を父親である庄吉の元に連れて行くよう市に依頼して死んでしまうことから、庄吉を探すための子連れ旅が始まる。

道中、旅の一座と一緒になる。女座長に朝丘雪路。

一座の1人、中尾ミエは劇中で歌を披露するために出演するというパターン。

かつて庄吉が働いていた窯焼きの太兵衛に松村達雄、その娘に高田美和。

庄吉には伊藤孝雄。

腕のいい絵師の庄吉を軟禁して御禁制の絵皿を描かせている地元のやくざの親分に小池朝雄、彼と手を組む代官手附に小沢栄太郎、用心棒に草薙幸二郎など。

権造に世話になっている女を演じた坪内ミキ子がなかなかいい。

今回、主役の勝と共演するのが近衛十四郎だ。1930年代から時代劇で活躍する近衛も50歳を過ぎ、まさに後期の出演作。前半では気遣いに溢れた謎の浪人として登場するが、

第一作の天知茂同様、市と心で繋がり互いに認めながらも、ついには殺し合わねばならない関係になっていく。穏やかな表情をしていた近衛だが、クライマックスでは一転、ものすごい形相で市と戦う。

雪の中での熾烈を極める互角の闘いは、見ごたえがある。

仕込み杖を使った勝の殺陣も素晴らしい。

いずれはDVDを買って観ておきたい三隅作品、まだまだあります。