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今日ご紹介するのは、70年代フランス映画の隠れた佳作、アラン・コルノー監督の「真夜中の刑事/PYTHON357」(1976年)である。今でこそ、Pythonというとプログラミング言語かな、と思うようになったけど、昔はちゃんと拳銃だと思ってたわい。コルトパイソン、「ブリット」でS・マックイーンが、「ダーティハリー3」ではタイン・デイリーが使ってましたね。この映画、当時は洋画雑誌で「ポリスパイソン357」という仮題で紹介されていたのに、なかなか封切られなかったなぁ。



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主人公のフェロー部長刑事にはイブ・モンタン。「恐怖の報酬」でも「Z」でもなく、私のベストは「夕なぎ」です。


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彼が恋仲になる女性にステファニア・サンドレッリ。フェロー刑事は、彼女の自宅を訪ねると彼女が殺されていた。



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殺したのは彼女の愛人で、しかもフェローの上司である署長(フランソワ・ペリエ)だった。愛人であることを隠してフェローに捜査させる署長と、嫌疑がかかりながらも真実を追う主人公。互いにその秘密を知らないまま物語が進む。



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自首しようとする署長を思いとどまらせる資産家の妻を演じたシモーヌ・シニョレの不気味なほどの存在感が何ともすごい。



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目撃証言や証拠品などでフェローは苦境に陥り、証人の尋問への立会いを避けるようになって、部下(マチュー・カリエール)からも不審に思われ始める。



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これから見る人のために、詳しいストーリーは省くけど、主人公が自分の顔を硫酸で焼いたり、署長の妻と密会するシーンなどは、予測のつかない、なんとも異様な光景であり、息を呑むほかない。



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一方で、強盗の機関銃で狙われる中、車で突っ込んで部下を助ける派手なアクションもあり、映画全体としてのバランスなど考慮されてないかのようにストーリーが進んでいく。

撮影はエチエンヌ・ベッケル、音楽はジョルジュ・ドルリューだ。アメリカのハードボイルドタッチとは違う、いわゆるノワール(暗黒)映画なのだが、何ともやりきれない主人公の孤独と執念、強引ともいえる思い切った展開と物悲しい雰囲気とのミスマッチが実に印象深い、フランス映画ならではの妙な癖と味わいに溢れたドラマである。



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