今日ご紹介するのは、黄楓監督、茅瑛(アンジェラ・マオ)主演のアクション映画、「中泰拳壇生死戰」(1974年、The Tournament)である。日本では「アンジェラ・マオ ザ・トーナメント」という邦題でDVD化されています。
冒頭、楊威が働く食堂に暴力団がみかじめ料をせしめに行く。払えないために食堂の娘が連れていかれるが、ゲスト出演の衣依(マリア・イー)の登場は、このシーンの十数秒だけ。
楊威は金を何とか作ろうと、自分の通う道場の主(葛香亭)に、タイのキックボクシングとの試合に出させてほしいと頼む。同じ道場に、
アンジェラさんや
黄家達(カーター・ウォン)がいるわけである。楊威とカーターさんの2人はタイまで試合に行ってこてんぱんにやられ、楊威は命まで落としちゃう。
カンフーの名を汚したと、武術協会メンバーは怒りまくり、道場主の葛香亭は自殺に追い込まれ、アンジェラさんも協会メンバーの姜南の息子、葛小寶との婚約を解消される。アンジェラはタイにキックボクシングを研究しに行くことを決意し、協会メンバーはさらに怒る。協会のトップに關山。その右に居るメンバーの一人は監督の黄楓かな。
協会メンバーの洪金寶(サモ・ハン・キンポー)や唐偉成(ウィルソン・タン)らとアンジェラさんの対決シーンもある。
主人公たちが映画会社を訪ねるシーンに出てくるのは、もしやプロデューサーの鄒文懷(レイモンド・チョウ)ではなかろうか。アンジェラの後ろには、ジミーさん主演の「戦神灘」のポスターが貼ってあるぞ。
今回はタイのキックボクシングがテーマなので、キックボクサーとの試合のシーンが結構挿入される。観客に李昆がいたりして、俳優の使い方は無駄に豪華。
女性は出場禁止だが、特別な計らいでアンジェラさんもTシャツ姿で出場する。
試合が一段落すると、今度は、タイで主人公たちを案内してくれた王琛の娘、杜寧が地元の興行関係者に誘拐される、という新たな展開が用意される。
タイでの事件が片付いて道場に戻ったら、日本人たちが乗っ取っていた、という新たな展開。キャスティングも豪華だが、エピソードも盛り沢山で、ちょっと慌ただしい。日本人のボスには、キック技でお馴染みの黄仁植(ファン・インシク)。
彼が敗れたら、さらに張力泙(ジョージ・ユリキアン)という凄い奴が登場する。レバノンの空手家だったかな、アクション見てると、実に強そうな人である。
映画としてはどうなの? というお粗末な出来栄えであるが、まあ、アンジェラさんがこれだけの俳優といろいろ闘ってくれれば、それだけでとりあえず良しとするか……という心の広いアンジェラファン向けの作品、といったところである。
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