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猿惑シリーズ4作目、「猿の惑星・征服」(1972年)である。シリーズの中でも4作目以降の評価が低い。監督はJ・リー・トンプソンなのに期待はずれ、という人は60年代までの彼の作品をいろいろ見た人だろうし、トンプソンはつまらない作品が多いなと言う人は、80年代以降の作品を見ている人、という言い方もある意味、できるのかなぁ。



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舞台は製作された頃の約20年後、猿がペットから召使いとして使われるようになった頃の地球である。撮影はブルース・サーティースなんだけど、設定上、どうしてもこんなセットで集団を描かざるを得なくなり、1作目、2作目のような野性的なシーンもダイナミックな動きのあるカメラワークも見られない。



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前作でサーカス団長を演じたリカルド・モンタルバンと、彼が育てたマイロ。成長して、シーザー(ロディ・マクドウォール)として猿たちのリーダーとなっていく様子が描かれる。



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シーザーが恋するメス猿のリザには、前回も触れたとおり、2作目=ミュータント、3作目=人間、4作目=猿、と毎回役が変わるナタリー・トランディ。



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知事にドン・マレー、補佐官にハリー・ローズ、そのほか、警察署長にセバーン・ダーデンなど。人間役の俳優たちも、いまひとつという感じです。



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クライマックスは暴動シーンなのだが、たくさんの猿とたくさんの人間との闘いということで、思ったほど盛り上がらない。知恵や作戦で見せるなど、何らかの工夫がほしかったところでもある。



さて、本作の音楽は、これまでの巨匠たちに代わって、トム・スコットが担当している。トム・スコットと言えばジャズ、フュージョン界では知らない人のいないサックス奏者でありアレンジャーで、「タクシードライバー」のテーマを吹いたことで当時名前が一気に広まったりもした。もともとは、父親がTV関係の作曲家だったこともあって、この「猿の惑星・征服」あたりから、映画、TVの仕事で活躍し、スタスキー&ハッチもシフリンの後任はこの人だよね。刑事バレッタも部分的に担当していたようだし、TVM作品もいろいろ手がけている。プレーヤーとしては、「フレンチコネクション」などを担当したドン・エリス楽団でも演奏していたかと思うし、デイヴ・グルーシンなどとの関わりも深い。


私もいろいろ聴いているけど、このあたりの、初期のファンキーなアルバムだとか、


アップル・ジュース/トム・スコット

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下記のようなグルーシンのGRPレコードでのストレートアヘッドなジャズをはじめとする作品で彼の才能を窺い知ることができる。


ボーン・アゲイン/トム・スコット

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場合によっては、映画のDVDよりおすすめかもしれません。

猿の惑星・征服 [DVD]/ロディ・マクドウォール,ドン・マレー,リカルド・モンタルバン
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