今日の映画は、先日TV放映していた「ザ・ターゲット」(1996年)である。故ジョルジュ・P・コストマス監督は、私の世代では「カサンドラ・クロス」や「オフサイド7」で名を挙げた人いうイメージである。だから、というわけではないが、この映画の特徴を一口に言えば、「70年代の雰囲気が漂うB級サスペンスアクション」である。



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主人公のチャーリー・シーンが大統領補佐官というだけで、すでにB級の匂いがプンプン。



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相棒役となる女性にも綺麗どころを持って来ず、やり手の新聞記者にも見えないリンダ・ハミルトンが演じるというあたりもいい。このあたりをどう思うかでこの映画の好き嫌いは分かれるように思う。



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主人公の上司(首席補佐官)のドナルド・サザーランドが押さえの俳優のような感じでバランスをとっている。


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でも、この映画、冒頭から緊張感のある見せ場を豊富に用意し、それを畳みかけるように繰り広げるというB級アクションらしい演出により結構楽しめる。見る人によってはその軽さが鼻につくだろうし、殺し屋のスティーヴ・ラングの異常な“しつこさ”がリアリティを損なっているように見えるのだろうけど、そうした過剰演出が、主役のキャラと見事にマッチしているような気が、私にはするんである。



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映画の8割以上の時間は追いかけられている主人公だが、この殺し屋のほうも、ビルの中、街中、さらには水の中までと、まあ実に執念深いこと。



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大統領にはサム・ウォーターストン、副大統領にベン・ギャザラ、秘密を握る教授にセオドア・バイケルなど。



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衛星を使った追跡、エレベータを使ったアクションなどを駆使しているわりには、クライマックスの小道具は模型飛行機だったりするのだが、そういうこともひっくるめて、この映画は撮り方、作り方が古めかしく、「えっ、1996年の映画なの? 1978年とか1982年とかの映画と言われても分からないぞ」という、懐かしさすら感じさせる作風が、なんとも愛おしいんである。


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