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今日の映画は、1980年の台湾映画、「師妹出馬」(李作楠監督)である。日本では劇場未公開ながら、「カンフーシスター/麗竜拳」のタイトルでVHSが販売された。




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主演は夏光莉(シャー・クァンリ)。同じ李作楠監督で同じ年に作られた「南北腿王」のレビューのとおり、驚異的な身体の柔らかさを活かした華麗なアクションが売りである。彼女は1970年代後半から十数作品に出演しているのだが、主演したのはわずかで、先に紹介した「南北腿王」と今回の「師妹出馬」は彼女の貴重な作品ともいえよう。アクションは文句なし、容姿や演技も特に悪いわけではなく、女流カンフースターとしてはあまりにもマイナーな存在なのは、女優としての華がなかったためか、ヒット作品に恵まれなかったためか……。


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映画は、宝石の運搬中に、覆面をした4人組の男に襲われて夫は殺され、妻であるロウ(シャー・クァンリ)も蹂躙される。彼女を助けた尼僧がカンフーの達人で、彼女に3年がかりで技を教わり、復讐の旅に出かけるという話である。



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男装して復讐相手を探すシャー・クァンリ。女性が男に化けて潜入するが、観ている側からすると、「女性なのがバレバレじゃん」っていう設定は実に多いですなぁ。




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王圻生(ウォン・チーサン)との槍での戦いなどもある。4人の男を次々と倒し、ボスに近づいていくのだが……。



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早くもボスとの対面か、と思ったが、敵にやられそうになったときに助けてくれた劉珊(リュウ・シャン)に、「あんたの腕じゃ、ボスを倒すんはまだ無理じゃわいね」と指摘される(実際には広島弁は使いませんが)。なぜこの女がそんなこと言うんじゃろ? 実は、シャー・クァンリの復讐の相手であるボスは、リュウ・シャンの父親の弟子であった。破門された恨みで父親を殺され、自らも足を使えなくなるほど痛めつけられたリュウ・シャンは、ボスを倒すのに協力してくれる相手を待ち望んでいたのであった。



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足技が一切使えないリュウ・シャンに特訓を受けるシャー・クァンリ。



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修行シーンはたいていワンパターンなものであるが、彼女の場合は身体の柔らかさをアピールするチャンスでもあり、観ている側を飽きさせない。


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で、いよいよボスである彭剛(ペン・コン)との対決。悪者らしさが感じられないペン・コンは本作の武術指導も担当しており、シャー・クァンリのアクロバティックな動きの美しさを引き出す戦いとなっている。



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まさにその身体の柔らかさを作ってとどめをさすラストシーン。



有名な俳優がいないせいで、何となく華やかさには欠けるものの、最後まで観客を引き付ける展開とシャー・クァンリの熱演で、隠れた傑作の1つと言ってよい作品であろう。



ラストのバトルの動画があったので、貼り付けておきます。