今日の映画は「山東響馬」(1972年)、山東地方を思いのままにし、人々から恐れられている山賊、山東響馬と戦う1人の男を描いた、レイモンド・チョウ製作のゴールデン・ハーベスト作品だ。音楽はなんとも豪華なラロ・シフリン……って、本当はそうじゃないんだけど、劇中、「ダーティハリー」をガンガン流しまくるのは勘弁して(笑)。
恋人(かな?)に会いにこの地を訪れた主人公のYinに、張翼(チャン・イー)。この映画では、強力な助っ人が登場せず、最後まで一人で戦う。
山東響馬の首領を演じたのが白鷹(パイ・イン)。ヒーロー役も多いせいか、悪役には見えないこの爽やかな笑顔。もっと凶悪な面構えのボスにしたほうがよかったんじゃない?
クレジットでは朱元龍って出ていたけど、まだ若いサモ・ハン・キンポーは武術指導と山賊の一味を兼任している。
最初の見せ場は、彼とチャン・イーの一騎打ちだが、最後に空中でサモハンを捕まえたチャン・イーが宙に浮いたままでサモ・ハンをズブズブっと地中に埋めていく。おいおい！
客串主演・胡錦って出ているけど、ゲスト出演のくせに、フー・チン姉さんはあっさりサモ・ハンに殺されちゃう。
飲み屋の主人や主人公の恋人、チンピラ(銭月笙(チェン・ユーサン)も出てます）など、登場人物はそんなに多くない。もう少しそれぞれのキャラを活かしたシーンがあったほうが映画にメリハリが出て面白くなったかもしれないなあ。1対1のアクションシーンは飽きるほど長いのに、作品自体は79分しかないんです。どれだけシンプルな作りの映画なんだろう。