- 旋風レディ!鉄掌拳 [DVD]/アンジェラ・マオ,チャン・イー,サモ・ハン・キンポー
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今日の映画は、黄楓（ファン・フェン)監督の「アンジェラ・マオ／旋風レディ！鉄掌拳」 (1972年、原題 : 鐵掌旋風腿/Lady Whirlwind)である。また中華系映画ですみません。
会社を立ち上げたばかりで、最初の月の自分の給料は未払い(笑)という状況もあって、「アンジェラ・マオは見たいけど、DVDに5,000円近く使える余裕もない」私は、日本語字幕のない香港版を約10ドルで購入した次第。英語の勉強も出来て一石二鳥と思いきや、香港版は画質が悪かった。
冒頭、登場するのは、「怒れるドラゴン 不死身の四天王
」の張翼(チャン・イー)ではないか。 やはり同様にイメージどおりの真面目な人物を演じている。
彼と対決するのが、町を牛耳るごろつきたちのリーダー格で、賭博場の女支配人の愛人でもある日本人、白鷹(パイ・イン)である。張翼は彼に倒されてしまう。あれ、主演って出てたはずなのに、すぐ死んじゃうのね。
場面は変わって、町の賭博場。ある男を探している女が現れる。ようやくアンジェラ・マオ(芽瑛)の登場である。彼女の探しているのは、妹を捨て自殺に追いやったリン・シーハオという男。このリンが実は張翼であった。
賭博場で、彼女と戦ってやられたごろつきの一人は、賭博場の女支配人の弟でもある。洪金寶(サモ・ハン・キンポー)がやられてばっかりの役で登場する。
アンジェラにあっさりやられた弟のサモ・ハンを鞭で打つ、怖い女支配人に呉京兒(WU CHING ER)。
一方、冒頭で死んだと思われた張翼だが、たまたま現場に居合わせた若い女(柳阿娜、LAU A NA)の献身的な介抱により生きていたのである。数年後にはすっかり回復し、白鷹たちへのリベンジを狙っていた。まさにそのタイミングでアンジェラが登場。復讐を果たそうとする彼女に張翼は「自分の敵を先に倒したい。1日の猶予をくれ」と乞う。
ところが、張翼は、強力な胎拳道(テコンドー)の使い手(金男一、CHIN NAN YI)に返り討ちにされてしまうんである。
というわけでこの映画、張翼をメインに話が進むので、アンジェラさん、なかなか復讐の相手である彼を倒す機会がやってこないばかりか、敵にやられた張翼の彼女まで介抱したりする始末。復讐に燃え、張翼を倒す隙を窺っているのに、結果的に相手を助ける立場に回らざるを得ないわけである。
日本人役の白鷹の友人で、東京から来た空手の達人を演じるのが銭月生(CHIEN YUEH SENG)。上は空手着に赤い帯を締め、下は袴に下駄、頭はチョンマゲという奇妙ないでたちで、シリアスなこの映画で唯一のコミカルなキャラである。
そのあとの展開は、見てのお楽しみ。拍子抜けする結末である。それにしても、この映画、韓国ロケだというが、上の画像で分かるとおり、あまりにも殺風景なシーンが多い。映画の内容の虚しさに合わせたのかも(笑)。
このシンプルさに加え、パンチもキックも、強い一撃も弱い一撃も、屋外も室内も、全部同じ「バシッ、バシッ」という効果音なんである。この時代のこの手の映画にはありがちで、実際、そんな音がするはずもないのはみんな承知の上で見ているわけだが、85分もの間、同じサウンドを何百回と繰り返し聞かせるのは一種の拷問に等しい。多少は違う音も混ぜるとか、工夫しようと思わないのだろうか。