kazzpの音楽&映画-おかしなおかしな大冒険2


今日ご紹介するのは、フランスのフィリップ・ド・ブロカ監督のコメディ、「おかしなおかしな大冒険」(1973年)である。実はこの映画を見た日は私にとって大変貴重な日であり、この映画は広島では「燃えよドラゴン」のリバイバル上映の併映だったのである。もちろんブルース・リー目当てで映画館に行った私だが、この「おかしなおかしな大冒険」がきっかけでジャクリーン・ビセットのファンになり、その後数年で、「アメリカの夜」、「らせん階段」ほか、7~8作品を一気に見たり、部屋にポスターを張ったり、定期入れに写真を忍ばせたりしたわけである。


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主演はジャン=ポール・ベルモンド。鉄人ボブとの異名をとる秘密諜報員ボブ・セント・クレアが活躍するシーンから映画は始まる。


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アカプルコに飛んだボブは、メキシコ諜報部の連絡員、タチアナ(ジャクリーン・ビセット)と出会うのだが……。


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実はここまでは、作家のフランソワ(ベルモンドの二役)が40冊以上刊行しているスパイ・シリーズの中のお話であった。風呂も壊れて使えないような少々痛んだアパートで日々原稿に向かうフランソワの現実と空想(小説)とが入り組んでストーリーは展開する。彼のファンでもある掃除婦(モニーク・ターベ)も味があっていい。


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美女諜報員タチアナのモデルは、同じアパートに住む女子大生のクリスチーヌ(ビセット二役)だ。


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ケチで好色な出版社社長のシャロン(ヴィットリオ・カプリオ)がこのコメディを盛り上げる。


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フランソワの小説の中での彼は、ボブの宿敵、悪党カルポフである。


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この映画の見どころのひとつは主演の2人の衣装。ベルモンドはセリュティ、ビセットはドンフェルドというパリのお店が担当しているらしく、衣装でも我々の眼を楽しませてくれる。


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まあ、何と言ってもこの映画の最大の魅力は、最も美しかった70年代半ばまでのJ・ビセットが、女子大生と諜報員の二役で見られることであろう。


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コメディということで、泥だらけになった姿も披露してくれます。


kazzpの音楽&映画-おかしなおかしな大冒険

単なるB級ドタバタコメディになりがちなところを、ソツなく上品にまとめたブロカの演出、さらにはクロード・ボランの音楽も映画の雰囲気を盛り上げていて、サントラもよい出来です。


そういえば、冒頭のチラシは広島のポスターギャラリー茜で、200円(だったかな)でわざわざ買ったんである。映画のパンフやチラシというのは、VHSやDVDで映画そのものを所有できなかった時代を過ごした私にとっては、とても意義のあることだったように思う。