kazzpの音楽&映画-少林武当01
今日の映画は日本では劇場未公開の「少林拳対武当拳」(1980年)である。えーっ、また香港カンフー映画? またチャン・チェ(張徹)監督? って言わないでください。タイトルバックからすでに面白そうでしょ。


本作は、いわゆる「五毒拳」のメンバーによる映画である。チャン・チェ監督が見つけてきたスタントマン上がりの俳優たちは、他の有名なカンフースターのような華こそないけど、毎回華麗なアクションを見せてくれます。映画は、「反清復明」を掲げる少林寺の一派と、朝廷べったりの武当派との闘いを描いたもの。


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少林派の主人公トン・チエンチンは怪力の持ち主。これを演じるのは五毒拳で毒ガマ拳士を演じたロー・マン(羅奔)だ。大きな水がめを片手で持ち上げたり、大木を根っ子から引きぬいたりするシーンが出てくるが、この筋肉を見せびらかすためすぐ上着を脱いで上半身裸になっちゃう。左は、花拳を操るフー役を演じたチアン・シェン(江生)。優しい顔だち、残酷復讐拳で見せたような三枚目の演技、身軽で切れの良い動きが身上だが、残念ながら91年に亡くなっている。五毒拳士のうちフィリップ・コクだけは今回出演していないが、江生や鹿峰とともに武術指導で参加している。


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彼らを助けるチン兄妹。兄はサソリ拳士を演じたスン・チェン(孫建)、妹役はヤン・チンチン。いや、あくまで名前ですってば。


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武当派の男たち。最後まで活躍するリー・パーシャン(右)をワン・リー(王力)が演じる。


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ムカデ拳士を演じたあの顔立ちに似合わず、“高貴なお方”として登場するルー・フェン(鹿峰)。武術のことは分かりません、と扇子を片手におっとり構えているが、最後にはちゃんと戦ってくれます。


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ネタがばれちゃうのであまり詳しく紹介できないけど、今回、ちょっと美味しい役のウェイという武当派の若者を演じて活躍するのが、まだ新人のチン・シウホウ(錢小豪)だ。


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ウェイの幼馴染みで少林派を憎む女性アルホワンに、キャンディ・ウェン(文雪兒)。チャン・チェ監督作品って男の美学にはこだわるが、女優に関してはいまひとつである。男にしか興味なかったなんて言われるのも分かるような気がする。ほかにも多くの拳士が登場するが、脇役たちもそれぞれ、魅力的である。


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最後の闘いは、両派の対立の虚しさやそれによる悲劇も取り入れながら、アクションとしての見せ場も十分だ。中でも、チヤン・シェン(江生)は3人の猿拳使いたちとスピーディな闘いを見せる。まあ、ストーリーよりアクション重視という方には、納得のいく一作であろう。