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今日の映画は日本では劇場未公開の「少林羅漢拳」(1983年)。タン・チァ(唐佳)が演出と武術指導をした作品だが、キャッチコピーに「究極の少林寺アクロバット・アクション+ミステリーの融合」とあるとおり、犯人探しを中心に据えたストーリーの中で、まさにアクロバット的なアクションが繰り広げられる。長いアクションシーンがダレることも多かった70年代前半の香港カンフー映画と異なり、70年代後半~80年代前半はアイデアを凝らした個性的な作品も増えている。実は“お約束の展開”を楽しむ自分もいるので、ワンパターンでも大歓迎なのだが、この映画はいい意味で個性をアピールできている佳作である。


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主演はイー・トンシン。先日、「早熟 ~青い蕾~」という青春ラブストーリーを紹介したが、あの作品を演出した人である。今はすっかり映画監督に転身して名を上げたが、この頃はアクションスターであった。同じカンフーアクションスターのデヴィッド・チャンの異父弟で、ちょっと似ている雰囲気もなくはない。


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共演はパイ・ピャオ。美男子ではないが、キャラの異なるイー・トンシンとのコンビネーションが実にいい。


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紅一点のチンホワを演じるラウ・イープー(劉玉璞)。この女優さんは初めて見ました。


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名士たちが次々と殺されていくが、現場に落ちていた金刀から、毒婦チンホワが疑われる。名士のひとりにお馴染み、谷峰(クー・フェン)


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しかし、武林連続殺人事件の犯人は少林寺にいると疑う主人公たちにコンシン院長(リー・ホイサン/李海生)や大師(コー・フェイ/高飛)は大慌て。3つの関門を突破すれば寺内の捜索を許そうという。


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第2の関門で主人公が相手にする十二金剛陣。すごいアクロバットに、たじたじである。


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第3関門は長椅子を積み重ねた上での闘い。地面に足をついたほうが負け、というけど、てっぺんで椅子の足を握って鞍馬みたいにクルクル回ったり、それを避けてジャンプしたりしてる。83年ということもあって、それなりにワイヤーも使われているが、それにしてもよく撮ったなと感心するほど楽しめるアクションシーンである。

時折、この手の香港映画が見たくなるけど、やはり心が安らぎます。マカロニウエスタン同様、たまに見ておかないと禁断症状が起きるようである。作品の出来はともかく、5~6本まとめて購入して立て続けに見たい気分になるが、そうは財布が許してくれません。まあ、ちょっとずつ買い足していきましょう。