とりあえず、プレスリリースをWebにアップし終えたので、5分だけ休憩……って、急いで書かなきゃ。


さてさて、荒野の七人シリーズ3作目は「新・荒野の七人/馬上の決闘」(1969)。ちなみにタイトルの「馬上の決闘」シーンは劇中には出てこない。


前作の「続・荒野の七人」は盗賊から村を守るというストーリーにおいて第一作の焼き直しであったが、さすがに3回目も似通った話にするわけにはいかないであろう。本作は、舞台は同じメキシコながら、相手は盗賊でなく政府軍である。その分、戦闘規模は自ずと大きくなるし、前の2作のように襲われる側ではなく、敵の砦を攻略し革命のリーダーを救出する、というポジティブなアクションの見せ方がポイントとなる。



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今回は主人公のクリス役がユル・ブリンナーからジョージ・ケネディに交代。「ブリンナーの出てない荒野の七人なんて…」、「さらにスケールダウンした凡作」と酷評する向きも多いが、期待しないで見れば、少なくとも何の工夫もない2作目よりは遙かに面白い。


監督のポール・ウェンドコスはTVMの演出が多く、劇場映画を撮ってもTVM級なんだけど、それが奏功してか、そつなくまとめており、恒例の仲間集め1つとっても前作より練られている、というのが私の感想だ。味方の数十倍の人数を擁する敵地にどう乗り込むかといった面白さもあり、ダイナマイトなども使っての派手なアクションシーンも交えて退屈させない。



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ジョージ・ケネディを配したことで、ブリンナーとはイメージもかなり異なるわけだが、彼は必ず危機を解決してくれそうな頼もしさの滲み出る好感の持てる俳優であり、この映画のあとの「大空港」、「大地震」、「エアポート’75」などの当時パニック映画と言われるジャンルの作品に登場しては人々の危機を救う、という役柄は、まさに彼のためにあるようなものであった。彼の最初の仲間として加わるモンテ・マーカム(右)も、あまり作品には恵まれていない俳優だが、ここでは生き生きとした結構いい雰囲気の演技を見せる。



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まだスリムなジョー・ドン・ベイカー(左)とジェームス・ホイットモア(中央)も好演。バーニー・ケイシー(右)は本シリーズ初の黒人として登場する。


思想的な部分にもこだわったり、女性にそれなりのセリフを持たせたり、登場人物のバックボーンにいささか時間をかけすぎた前作よりは、男らしく、すっきりとしたアクションが身上のB級娯楽作となった。


3分ほど超過しました。